トム・ハンクスと言えば世界中にその名が知れ渡ったハリウッド界を牽引する俳優の1人ですが、彼がこれまで出演した数々の中で最も演技力が光っていると評価された作品がある事をご存知ですか?
それは2000年に公開されたアメリカ映画「キャスト・アウェイ」
ある事がきっかけで無人島で過酷な生活を強いられた男性を描いたこの作品は、“映画史上屈指の名演技を見せた”とNY・ポスト紙に言わしめた程一流俳優トム・ハンクスの役者魂を垣間見れる映画になっています。
トムの演技力もさながらまるで自分も無人島での生活を送っている様な感覚を味わえ、スリルや迫力満点。
まだ一度もご覧になった事がないという方は、無人島でのサバイバル生活を疑似体験してみませんか?
今回は「キャスト・アウェイ」のあらすじや解説、更に重要な役割を果たす“ウィルソン”などについてご紹介致します。
キャストアウェイのあらすじとは?
国際宅配便会社 フェデックスのシステムエンジニアとして勤務する主人公チャック・ノーランド。
彼は効率や生産性を上げるため世界中を飛び回るかなり忙しい毎日を送っています。
「87時間あれば宇宙も創れる」と言い出すほど時間に厳しいチャックですが、長年交際を続け結婚を意識した女性 ケリーがいました。
そんな愛するケリーや友人たちとクリスマスディナーを楽しんでいると、チャックの元に緊急の連絡が。
トラブルが発生し大至急マレーシアに向かって欲しいというものだったのです。
急いで空港へ向かうチャックでしたが、見送りに来ていたケリーからクリスマスプレゼントを渡されます。
それはケリーの祖父から代々伝わる懐中時計。
ケリーの写真が収められメンフィスの時間“ケリー・タイム”に合わせた懐中時計を手にし、すぐに戻る事を約束して飛行機に搭乗したのでした。
しばらくすると飛行機の経路が目的地から200マイルずれている事が発覚。
嫌な空気が漂う中チャックが顔を洗っていると突然飛行機のエンジンが燃えコントロールが不可能に。
揺れる機体の中で必死に耐えていた次の瞬間、飛行機は海に墜落してしまったのです。
救命ボートに何とかしがみつくものの海は大荒れ。
ボートに乗ったまま気を失ってしまったチャックがたどり着いた先は動物すら居ない無人島でした。
果たしてチャックは無事に無人島から生還する事が出来るのか。
過酷な運命を余儀なくされた男性を描くサバイバルストーリーです。
チャック演じたトム・ハンクスは役作りのため何と20㎏以上の減量を行ったという本気の“役者魂”を感じられる本作品。
ご覧いただくとお分かり頂けると思いますが、無人島にたどり着いたばかりのトムのお腹は少しプヨプヨ。
ところが時間が経過するにつれてみるみる体型が変わり、腹筋が割れた引き締まったお腹に。
更に表情や目つきが険しく「同一人物?」と疑ってしまう程変化します。
20㎏以上の減量がどれ程大変なものなのか想像すらつきませんが、彼の作品に対する熱い想いが伝わりますよね。
ぜひトムの変化に注目してご覧頂きたいと思います。
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キャストアウェイ!ウィルソンとの別れ
「キャスト・アウェイ」の中で重要なポジションを占める“ウィルソン”
その正体は島に流れ着いた積荷の一つのウィルソン製バレーボール。
チャックは必死に火を起こす事にチャレンジしますがことごとく失敗。
皮が剥け血が吹き出した手を見たチャックは自暴自棄になり思わずバレーボールを投げてしまいます。
冷静を取り戻しふと見ると血がついたバレーボールが人の顔に見えたため、目や鼻を付け加え“ウィルソン”と名付けその日からチャックにとって唯一の話し相手に。
どこへ行くにも“ウィルソン”を連れ話しかけるチャック。
普通に考えれば異常な状況ですが、そこは無人島。
今後どの様な運命が待ち受けているのか全くわからない不安に満ちた中、例えバレーボールだったとしても彼の心の大きな支えになります。
無人島での生活がどれ程孤独なのか、そしてやはり人間1人で生きていく事は出来ないのだという事が分かりますよね。
時には八つ当たりをしてウィルソンを投げつけてしまいますが、我に返り必死で探し出すチャック。
バレーボールの空気が抜けてしまっても藁を入れ片時も離しません。
もはや単なるバレーボールでは無く、チャックにとって無人島で生き抜くためのパートナーでもあり戦友だったのではないでしょうか。
そんなウィルソンを大切にするチャックの姿を観ていると切なくなってしまいました。
そして訪れるウィルソンとの別れ。
4年という長い年月を共に過ごしたウィルソンとの別れのシーンは涙無しで観る事は出来ません。
ウィルソンはあくまでもバレーボール。
でもチャックが体験した過酷な生活と、彼の大きな支えとなったウィルソンを失った心情を考えるとまるで1人の人間を失ったかの様に思えるから不思議です。
それだけトムの演技力の素晴らしさが表れている証なのかもしれませんね。
ちなみにチャックの心の友ウィルソンが描かれたバレーボールが、実際ウィルソン社から発売されています。
レプリカですがバレーボールとしても使用出来るそう。
楽天で販売されていますので気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
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キャストアウェイのネタバレって?
無人島での生活を余儀なくされた主人公の姿を描いた本作品。
少しだけネタバレをご紹介させて頂くと、主人公チャックの無人島サバイバル生活はなんと4年というかなり長い期間に及びます。
良く“無人島に1つだけ持っていくとしたら何を選びますか?”という質問を耳にしますよね。
スマホを片時も手放す事が出来ないような現代人にとってかなり過酷な質問で私は答えを出す事が出来ませんが、チャックの持ち物は壊れたポケベルと懐中時計のみ。
後に飛行機に積んでいた宅配便が砂浜に流れ着きそれらを活用する事になりますが、それでもライターやナイフなどサバイバル生活を送るうえで必要なものは一切ありません。
そんな過酷な状況に置かれたら絶望を感じ生きる気力すら無くなってしまっても当然ですよね。
更に主人公チャックはもちろんですが、残された家族にとっても悲劇的。
ある日突然愛する人が行方不明になり、墜落した飛行機からの生還者が誰も居ないとなれば誰もが既に亡くなっていると思うのではないでしょうか。
でも確証がない以上諦めきれないという残されたものの気持ちを思うと胸が苦しくなります。
チャックはたった1人で過酷な状況と戦っていますが、1日1日を生きる事に精一杯だったはず。
一方残された恋人ケリーは悩み苦しみある決断を下します。
飛行機墜落事故から時が止まったままのチャックと、悲しみにくれる中4年という年月が経過し新たな人生を踏み出したケリー。
2人が一体どの様な人生を歩むのかに注目してご覧下さい。
最後にみなさんに一つだけ質問です。
行方不明になった愛する人を例え望みが無くても再び会える事を固く信じていつまでも待ち続けますか?
それとも過去を振り返る事なく新たな人生をスタートさせ、新しいパートナーを見つけますか?
この作品をご覧頂くとこの質問の意味がお分かり頂けるはずです。
ちなみに私には... 難しすぎて答えが出せません。
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キャストアウェイのラストとは?
この作品のラストにはチャックの今後の人生を暗示させる様なシーンが描かれています。
映画の冒頭から登場していますが、キーとなるのは「天使の羽」
チャックは無人島に流れ着いた積荷の中で1つだけ最後まで開けず、脱出する際大切に取り扱っているものがありました。
その積荷とは箱に「天使の羽」が描かれたもの。
なぜ最後まで開けず大切にしていたのかは分かりませんが「天使の羽」を心の支えにし、この荷物を届けるという目標を立て自分を奮い立たせていたのかもしれません。
そして救出後、持ち主の元を訪ねますが不在。
“この荷物で僕は救われました。ありがとう”という置手紙をして家を去ります。
すると女性が乗った一台のトラックが。
軽く会話を交わし女性を見送ったチャックが目にしたものは、トラックの後ろに描かれていた「天使の羽」
何かを感じ取ったチャックの表情で幕を閉じますが、一つの荷物が2人を引き寄せてくれた事は確か。
その後の展開を知る事は出来ませんが、きっと女性と素敵な人生を歩むのではないかと感じました。
先程ご紹介した“ウィルソンのバレーボール”も登場しますので、ぜひラストに注目してご覧ください。
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キャストアウェイの解説!
「キャスト・アウェイ」は天使の羽が鍵となるとお伝えしましたが、少し分かりにくい部分があるので簡単に解説します。
冒頭で登場する天使の羽がシンボルのベティーナ&ディックの看板が立つ家。
この家に住むベティーナからロシアで滞在する夫ディックの元へ天使の羽が描かれた荷物が届きます。
「妻からの荷物だ」とつぶやくも隣には女性の姿が。
どうやらディックは浮気をしている様ですが、この流れがラストにつながります。
ラストで再び映されるベティーナ&ディックの看板からディックの名前が消えベティーナの文字のみ。
これはベティーナが夫と離婚した事を表しています。
そしてチャックが向かった先はベティーナの家。
天使の羽が描かれた箱を届ける事を生きがいにし、無事無人島から脱出したチャックとベティーナは、1つの荷物によって引き寄せ合う運命だったのですね。
チャックは4年という長い歳月を無人島で過ごす事によって、多くのものを失いました。
でも決して諦めず前だけを見続けたからこそ訪れた新しい出会い。
そんなチャックの運命が冒頭から描かれています。
一見関連が無いように見えるシーンもラストの重要な鍵となりますので、ぜひお見逃しなく。
キャスト・アウェイのストーリーは実話?なのか気になった方は、こちらの記事もご覧くださいね↓
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キャストアウェイ ラストやウィルソン別れ!解説やネタバレとあらすじのまとめ!
トム・ハンクスの役者魂が込められた2000年公開の映画「キャスト・アウェイ」についてご紹介させて頂きました。
生きていく上で挫けそうになる様な出来事に直面する事もあると思いますが、そんな時にぜひご覧頂きたい作品です。
感動と共に“生きる希望”を与えてくれる素晴らしい映画なので、ぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。