ハリウッド界には欠かせない大物俳優アル・パチーノがアカデミー賞主演男優賞に輝いた、1993年日本公開映画「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」
硬く心を閉ざした退役軍人がピュアな心を持った高校生と交流を深める事で、再び希望を見出す感動的な作品です。
少し古い映画でマスターピース的なあらすじですが、アル・パチーノの魅力をたっぷり堪能いただける名作品です。
心に響く名言も沢山登場する本作品をじっくりご覧になられてはいかがですか?
今回は「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」のあらすじや、タイトルに込められた意味などについてご紹介致します。
セントオブウーマンの意味するところとは?
「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」は、イタリア作家ジョヴァンニ・アルピーノの小説「闇と蜂蜜」を元に、ボー・ゴールドマンが自らの経験をを加味して脚本を完成させました。
同原作が初めて映画化されたのは1974年。
イタリア映画「女の香り」で、フランク役をヴィットリオ・ガスマンが演じています。
イタリア映画の題名をご覧いただいて分かるように、“セント・オブ・ウーマン”は“女性の香り”という意味。
退役軍人で盲目のフランクは、何の匂いなのか嗅ぎ分けられる他、香りを嗅いだだけで女性の性格や生活ぶりを言い当ててしまう特技を持っています。
とにかく香りにこだわり、香りを語るシーンが沢山登場する為タイトルになったのかもしれません。
香りだけで性格まで分かってしまうなんて凄いですよね。それだけ鋭い洞察力を持っている事が分かります。
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女性の香りを生み出している気になる香水とは?
ちなみにこの作品に登場する“女性の香り”は
フローリス!英国王室御用達の香水ブランド
- ニューヨーク行きの飛行機で出会うフライトアテンダント ダフネの香り
オグリビーシスターズ・ソープ!アメリカの自然原料によるハンドメイドソープメーカー
- 一緒にタンゴを踊ったドナの香り
フルール・ドゥ・ロカーユ!フランスの香水ブランド「キャロン」の香水。
- フランクの演説後駆け寄ってきたクリスティーン先生の香り
ミツコ!フランスの香水ブランド「ゲラン」の代表作
- フランクの甥の妻の香り
これらが登場します。
ご紹介した香りをご存知の方は、想像しながらご覧いただくとより映画の世界に入り込めるかもしれませんね。
フランクの事をご紹介したので、ここでチャーリー役のトリビア情報を!
クリス・オドネルが演じたチャーリー役
実はあのレオナルド・ディカプリオもオーディションを受けていたそうです。ディカプリオ×アル・パチーノのコンビなんて想像しただけでテンション上がりますよね。
でももしディカプリオがチャーリー役を演じていたら、全く違った雰囲気の作品になっていたかもしれません。
ピュアなチャーリーのキャラクター像を考えると、クリスが適役だったのでしょうか。
とにかくフランクもチャーリーも全く異なった魅力溢れるキャラクターなので、ぜひ2人の違いに注目してご覧下さい。
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セントオブウーマンあらすじのご紹介!
ボストンにある名門 ベアード高校に奨学金で入学した苦学生チャーリー(演:クリス・オドネル)は、クリスマスに地元オレゴンへ帰省する費用を稼ぐ為アルバイトをする事に。
そのアルバイトとは全盲で退役軍人 フランク(演:アル・パチーノ)の世話をするというもの。
彼の面倒を見ている姪 カレン(演:サリー・マーフィ)は感謝祭休暇中 夫の実家で家族と共に過ごす事になっていましたが、フランクは同行するのを拒んでいたのです。
カレンから「口は悪いけど根は悪い人ではないの」と聞かされたチャーリー。
一人で暮らす離れへ向かうと、そこに現れたのは並々注がれた“ジャック・ダニエル”を片手に、毒舌を吐きまくるフランクの姿が。
あまりにも強烈なキャラクターに面食らったチャーリーはフランクの世話をを躊躇いますが、カレンに説得され渋々引き受ける事になりました。
そんな中迎えた感謝祭前日、チャーリーの同級生ハヴマイヤー達が校長の愛車ジャガーにイタズラをし大問題に。
その前日彼らが何かを仕掛けている所を目撃したチャーリーは、「犯人の名前を教えればハーバードへ推薦するが、教えなければ退学させる」と校長から脅されてしまいます。
一体どうすれば良いのか悩みを抱えたまま、チャーリーはフランクの元へ。
すると突然「今からニューヨークへ向かうから準備しろ」とフランクに命令され、半ば強引にニューヨークへ向かう羽目に。
チャーリーとフランクが着いた先はマンハッタンの高級ホテル“ウォルドルフ・アステリア”、そこでチャーリーはフランクが考えていた驚きの計画を知る事になるのです。
果たしてフランクが計画していた驚きのプランとは?
全く接点がなかった2人が、ニューヨークで過ごした時間を通して次第に心を通わせる心温まるヒューマンドラマです。
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アルパチーノ映画では初めての盲目の主人公役!
冒頭でもお伝えした様にアル・パチーノは「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」で盲目の主人公を演じ、第65回アカデミー賞 主演男優賞、第50回ゴールデングローブ賞 主演男優賞を受賞しました。
アカデミー賞に至ってはそれまで数々の作品でノミネートされていたものの受賞を逃していたので、まさにアル・パチーノの夢が叶った作品と言えるかもしれません。
これ程知名度人気がある俳優さんにも関わらず、長い道のりを経て手にしたアカデミー賞。
何気なくアカデミー賞のニュースを目にしていますが、受賞できる作品や俳優はほんの一握りなのだと改めて思い知らされた気がします。
そんな素晴らしい賞に輝いただけあって、本作品でのアル・パチーノの演技は大変素晴らしいものでした。
- 瞳を全く動かさず盲目にしか見えない演技。
- 更に演じたフランクというキャラクターも個性的で、きっとみなさんの頭の中にしっかりと焼付くはずです。
- フランクの口から飛び出す名言の数々も見所の一つ。
数々のセリフの中でとっても感動的なラストの演説をご紹介致します。
今は友を平気で裏切る汚いイタチの巣と化した。そういう連中を育てて世に送り出すのか。
それはこの学校の根本精神を踏みにじる事だ。
今日のこのサル芝居は何だ!このサル芝居で私の隣の若者だけが汚れのない魂を持ち続けている。
俺は多くを見てきた。ここの生徒より若い少年たちが腕をもぎ取られ足を吹き飛ばされた。
だが誰よりも無残だったのは魂を潰された奴だ。つぶれた魂に義足はつかない。
君らはこの優れた兵士を故郷へ追い返すだけでなく、彼の魂を潰そうとしているのだ!
“ベアードの名を汚した生徒だから”という理由で。その名を汚しているのは他ならぬ君らだ。
校長よあなたは言った“ここはこの国の指導者の育成校だ”と。根が腐っていて何が育つのかね。
チャーリーの沈黙の正誤はわからない。だが決して自分の徳の為に友を売るような人間ではない。
それが人間が持つ高潔さだ。それが勇気だ。指導者が持つべき資質はそれだ。
チャーリーも岐路に直面した。そして彼は正しい道を選んだ。真の人間を形成する信念の道を。
それは困難な道だ。しかし、さあ彼の旅を続けさせてあげよう」
実際この作品をご覧頂けばより心に響くセリフになっていますので、ぜひご自身の目でお確かめ下さいね。
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セントオブウーマンのフーアーの掛け声の意味は?
アル・パチーノ演じるフランクは数々の名言を残しましたが、それと同時に彼のある口癖が印象に残っているという方も多いかもしれません。
その口癖とは「フーアー」
何かと言うと「フーアー」と掛け声の様なものを発するので、一体どんな意味があるのか疑問に持たれる方も多いはず。
フランクは退役軍人という設定ですが、米軍を構成する5つの軍にはそれぞれ異なった掛け声があるそうです。
- 陸軍(Army)は「フーアー(Hoo-ah)」
- 海軍(Navy)は「フーヤー(Hoo-yah)」
- 海兵隊(Marine)は「ウーラー(Oo-rah」といった感じ。
空軍や沿岸警備隊は特にない様ですが、「了解」「賛成」の他幅広い意味で使われるそうです。
軍によって掛け声が違うなんて、日本人にはあまり馴染みがない事かもしれませんね。
フランクが発する「フーアー」はかなり力強いものなので、なんだかこちらまでビシッとしてしまいそうになりますが、それと同時に元気にさせられる気がします。
みなさんもぜひフランクの掛け声「フーアー」に注目してご覧下さい。
セントオブウーマンが意味するもの!フーアーやあらすじ(アルパチーノ映画:盲目の主人公)のまとめ
1993年公開「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」についてご紹介致しました。
最先端のの技術を駆使した新作映画も良いですが、人々の心に残り続ける名作をじっくり鑑賞するのも良いものですよね。
心に響く素敵な作品なので、ぜひ一度ご覧になられてはいかがでしょうか。